着物デザイナー木越まりの着物日記ブログ(毒舌あり)

着物デザイナーの木越まりです。

私の事をご存知の方は私がすごくおしゃべりだと知っています(笑)。

もう話し出したら止まりません。

インタビューとか全然緊張しないでいくらでもしゃべります。

特に「着物デザイナーのお仕事って、どんなことをしているのですか?」とか、

「木越さんって今後どんな仕事がしたいんですか?」

のようなお話は「お前は明石家さんまか!」っていうくらい話し続けられます♪

だって仕事が楽しくて仕方ないんだもん!

こんな風に言うと「いいですね〜羨ましいですね〜」と言ってもらえて、ますますしゃべり出すという性格(笑)。

余談ですが、母親はいつも連絡帳に私の性格を「明朗で快活」と書き、担任の先生は「好きなことにしか夢中になりません」と書いてくれていた。(なんか思い出したので、今書いておきました)

 

何がそんなに楽しいのだ!着物デザイナー!

 

それは、まずわかりやすく洋服のデザイナーと比べてみましょう。

洋服はまず生地をデザインする人がいます。

これはその洋服ブランドの社内にはいないことが多く、実は生地は生地屋に買いに行っています。つまりオリジナルの生地で洋服を作っている洋服ブランド会社は本当に少ないのです。
私が洋服のテキスタイルデザイナーだったころは、社内に生地の制作部門(テキスタイルデザイン部門)を置いているのはイッセイミヤケ、ニコル、ヨーガンレールの3社のみでした。今ではミナペルフォネンなどこだわりのブランドもあれば、大手のユニクロも。多くのブランドが独自に作ってはいますが、それでも洋服ブランドはまだまだ「生地は生地屋から買ってくる」のです。

そして、次に形。
洋服の形はデザイナーが描きますが、本当に形にするのはパタンナーです。立体に起こして裁断までするのはパタンナーの仕事。

実際はパタンナー次第でかなり形が違って出来上がる。

靴は靴のデザイナーがいて、ヘッドドレスはヘッドドレスのデザイナーが。。。

え〜?なんか洋服だと自分の役目、一部じゃない???

 

そうなんです!着物の場合はそれ全部自分でできちゃうんです!

 

まあ、「できちゃう」というのか「しなきゃならない」というかは笑ってごまかし。

でも、やるんですよ!

生地のデザインも、形も(着物はあまり形はありませんが羽織やコートなどは大いにあります)、小物のデザインも、なんでも。

全て自分のデザイン!細かいところまで全部自分!

 

だから楽しい

 

 

さらに

驚くほど業界が小さくてみんなが知り合い!

 

洋服の業界ではありえないほどの小規模な着物業界。

もともと少なかったのに、ここ10年ほどでどんどん廃業してかなり減って、見通しが良くなった(笑)。

会社の財力の問題ではなく、やる気がある会社、若手がいる会社、やりたいことがある会社が残っているんだもん、素晴らしい!

そんな少人数の体制だから、協力しあって当たり前。悪いことすると筒抜け。もっと言えばライバル少なし!!

 

着物デザイナーという仕事は名が知れてからまだ25年ほどしか経ってない。(私の大先輩がそのようですので)

逆に周りは老舗が多く、普通なら「誰だお前、こちとら100年やってんだよ、おととい来やがれ」って言われてもいいのに(こんな江戸っ子な人はほとんどいませんのでイメージです)、どこの社長さんもみんな優しい。(仕事をくれるかどうかは別だけど)

 

 

未だに「尺」が使われていたり、「昔はブラジャーとかなかったし、日本人おっぱい小さかったし」なんて面白い話が出たり、「滋賀県に麻のメーカーが多いのは琵琶湖から吹く風が湿っているからだよ」とかなんかすごい地域性があったり。。。

歴史を感じ、長い年月の生活を感じるのもみんな意味があって面白い。

 

かと思えば、インクジェットで作る着物があったり、海外で縫製したり、ミニスカ着物や花魁着物があったり(こういう変な形のは私は嫌いですがね)。実は新しいことも満載!

 

 

着物、独自すぎて面白すぎる!!

 

そんな気持ちで毎日デザインに追われている今日この頃です。

 

ちなみに私が言っている「着物デザイナー」とは「他社からのオファーでその会社のためにデザインをして売っている人」です。

自社製品だけを作って売っている人は着物デザイナーではなく、着物ブランドのオーナーさんかな〜。う〜ん。

違いがわかる言い方がうまく言えませんが、この二つの仕事は全く違うので。

ちなみに私はどちらもやってる欲張りさんです(笑)。

 

ではでは。今日はこの辺で。

最後まで読んでくださってありがとうございます

 

着物デザイナー 木越まり